社員持株会はハイリスク・ハイリターンなじゃじゃ馬

社員持株会はハイリスク・ハイリターンなじゃじゃ馬

どーも、虎爺です。

本日は、社員持株会の特徴について説明します。

結論、お得な制度ではありますが、収入・資産の偏りにより、リスクが上がってしまいます。ハイリスクハイリターンな精度です。ほどほどに利用することをおすすめします。

それでは、始めましょう。

みなさんが働く会社では社員持ち株会はあるでしょうか?

社員持株会とは、従業員が自身が働く会社の株を、購入できる制度ですね。
SMBC日興証券さんは下記の通りまとめています。

従業員持株会とは、従業員の自社株式取得にあたり会社が拠出金の給与控除、奨励金の支給などの種々の便宜を与えることにより、従業員の自社株取得を容易にし、財産形成を助成する制度です。

それでは、虎爺の考える社員持株会のメリットを挙げます

社員持株会のメリット
①購入時などに会社から一定の補助がある
②毎月の給料天引きのため、買付注文が不要かつ購入タイミングを考慮しなくて良い
③単元株に満たない金額でも購入できる

②についてはなかなか投資に踏み込みにくい方にとってはメリットですが、ただの積立購入でありそれ自体がお得になるわけではありませんね。
また、③についても、少額でも購入できること自体は便利ですが、それ自体が利益をもたらすわけではありませんね。
広く普及している投資信託も持ち合わせている特徴ですね。重要なのは①です。

例えば、虎爺が働く会社では持株会がありまして、購入時に最大8%の補助があります。購入額に上限があるものの、年間で最大10万円近くの補助をいただけるんですね。これはとても最高です。虎爺が知る企業では、10%の補助を出す企業もあります。とてもうらやましいですね。

(虎爺の場合は)購入するだけで+8%が確定するため、非常にお得なんです。同僚にもおすすめしています。余裕資金がある方なら、やらない理由がないんです。ただし、あくまでも購入時のみのため、次年度以降からは特にメリットは無いんです(当然翌年度購入分はメリットありです)。

それでは、誰もが皆たくさん買い付ければ良いのかというと、そうではありません。美味しい話には裏があるというやつですね。ただ、損をするというわけではありません。特徴があるというだけです。そのデメリットは下記ですね。

社員持株会のデメリット
①給料支払会社と同じ場合、業績悪化/倒産時のリスクが増える
②売却に時間がかかる

普段の穏やかな景気の場合は気にならないかもしれませんが、これは現在のコロナショックのような時に明らかになりますね。特に大きな影響が①です。例えば、ANAの例で説明しましょう。※虎爺はANAの社員持株会の存在や制度を知りませんので、あくまでも例として出したことをご了承ください。

下記ニュースのように、乗務員の方々が休業(=無給で休み)と報道されております。その結果、間違いなく従業員の給与収入は下がります。

ANA、5000人休業へ 大幅減便響き1人数日ずつ

また、下記ニュースのように緊急援助を要請しております。当然ですが非常に厳しいんですね。

ANA、1.3兆円融資枠 コロナ禍で財務格差鮮明に

その結果、コロナショック前は3,500円程度だった株価は、4/3の終値ですと、2,197円に下がっております。40%の下落ですね。ANAの優待券目当てに購入した方は泣いていることでしょう。

株主・社員それぞれの立場であれば、それぞれの収入減・資産減だけですみますが、社員持株会加入者はどちらもですね。泣きっ面に蜂です。つまり、いくら株式購入時等に会社から補助があろうが、給料減と資産減が一気にやってきます。これは、精神的にもきついですね。


株式投資と給与収入を分けて考えると、それぞれのリスクは特に関連しないので問題ないはずなのですが、収入全体で考えますと、同じ状況の場合に収入/資産が減りますので、リスクが高くなっているんですね。つまり、株式投資で考えますと、複数企業の株を買うのではなく、1社だけの株式に全振りしているようなものなんです。額が少ないと問題ないですが、増えてくるととても危険ですね。

また、②についても、虎爺の会社の場合は、退職でない限りは野村證券の口座に株式を移して、そこで売却をしなければなりません。持株会から野村證券口座へ移すのには1ヶ月程かかります。また、証券会社に口座を開設していなかった場合はさらに時間がかかります。ですので、今回のコロナショックのようなことがあった場合、売り抜けるのが難しいですね。

さて、おさらいしましょう。メリット/デメリットは表裏一体で目的によるので、本来は特徴と書くべきかもしれませんが、虎爺目線でまとめます。

●メリット
・購入時などに会社から一定の補助がある
・毎月の給料天引きのため、買付処理が不要かつ購入タイミングを考慮しなくて良い
・単元株に満たなくても、金額指定で購入できる
●デメリット
・給料支払会社と同じ場合、業績悪化/倒産時のリスクが増える
・売却に時間がかかる

ハイリスク・ハイリターンとは書きましたが、基本的にはお得な制度です。先日のエントリーの通り、「リスク≠危険・損」ですね。

普段から負担にならない程度で買付し、ある程度溜まったら売却して利益確定するのが無難かもしれませんね。虎爺の場合は、比較的株価が安定している通信企業なので、あまりリスクは増えないため、買付金額をけっこう多めにしています。
しかしながら、ソフトバンクのように値動きが激しい企業ですと、ある程度抑えるほうが精神的に安心しますね。

リスクとリターンは表裏一体のようでそうでない場合もあります。重要な考えは、「卵は一つの籠に盛るな」ですね。ちなみに、本エントリーのトップがはその意味でイースターの画像にしています。投資家の皆様はわかるかと思いますが、ほとんどの方は気づかないかもしれませんね。

みなさんのリスク許容度及び資産運用目的に合わせて、投資先・勤務先を検討しましょう。

それでは、また。