NISAで買った商品は5年以内に売り急ぐ必要はありません
どーも、虎爺です。
本日はNISAの5年経過後の扱いについて記載します。
NISAは5年間の非課税制度です。それそのものはとても素晴らしい制度で恒久化してほしいですね。現状の制度では5年経過したら非課税期間は終わります。
では、5年以内に売却しないといけないのかというと決してそうではありません。売却しなくても非課税は実現されます。が、そのあたりをあまりよくご存知ない方もいるのではないでしょうか。複雑な制度なので当然ですね。
本日はNISA口座で購入した商品の5年後の扱いについて解説します。
それでは、始めましょう。
NISA口座で購入した商品の課税や扱いは下記の通りです。
【5年以内に売却した場合】
①利益が出た場合:非課税(利益☓20%の税金分がお得になる)
②損失が出た場合:損失計上不可(他の株式売却益との損益通算ができず純粋な損失になる)
【売却せずに5年経過する場合】
・5年後の時価が取得価格になる(5年間の利益に対しては非課税)
③さらに翌年値上がりして売却した場合:売却額-5年後の時価の差額に課税。(差額☓20%が税金)
④翌年に値下がりして売却した場合 :売却額-5年後の時価の差額を他の株式売却益との損益通算可能
書いてもよくわからない方もいるかと思いますので、4つのケースで考えてみましょう ※復興特別所得税は考慮しません
①5年以内に売却して利益が出る場合
数量:100株
買値:10,000円/株
売値:20,000円/株
差益=20,000☓100-10,000☓100=1,000,000
非課税額=1,000,000☓20%=200,000
結論:特定口座/一般口座で運用した場合と比較して200,000円もお得になります
②5年以内に売却して損失が出る場合
数量:100株
買値:10,000円/株
売値: 5,000円/株
差益=5,000☓100-10,000☓100=▲500,000
特定口座での運用時に得られた還付税額=▲500,000☓20%=▲100,000
結論:特定口座/一般口座で運用した場合と比較して100,000円の損失になります。(もともと損益通算をしない場合は損失の大きさに違いなし)
③5年経過後に特定口座に移管し、さらに値上がりして売却して利益が出る場合
数量:100株
買値:10,000円/株
5年後:20,000円/株
売値:30,000円/株
5年後の差益=20,000☓100-10,000☓100=1,000,000
非課税額=1,000,000☓20%=200,000
売却時の差益=30,000☓100-20,000☓100=1,000,000
課税額=1,000,000☓20%=200,000
結論:5年間で1,000,000円の利益(全て非課税)を獲得し、その後1,000,000円の利益を得られますが、200,000円の課税が発生します
④5年経過後に特定口座に移管し、値下がりして売却して損失が出る場合
数量:100株
買値:10,000円/株
5年後:20,000円/株
売値:10,000円/株
5年後の差益=20,000☓100-10,000☓100=1,000,000
非課税額=1,000,000☓20%=200,000
売却時の差益=10,000☓100-20,000☓100=▲1,000,000
損益通算時の還付税額=1,000,000☓20%=200,000
結論:5年間で1,000,000円の利益(全て非課税)を獲得し、その後1,000,000万円の損失が発生しますが、他の株式売却の利益と損益通算することで200,000円の税金が還付されます。
10,000円で買って10,000円で売っても20万円も得します。
以上をまとめると、NISAの運用といえど、5年以内に売り急ぐ必要はありません。売却のタイミングはその株が下がると判断したときですね。
また、NISAの口座の場合は損益通算ができませんので、ご注意ください。利益が出ても、損失が出ても、税金とは無用なんです。株式の平均リターンはプラスなのであまり気にする必要はありませんが、最終年でコロナショックのようなことが起きると、気持ちの面でもショックですね。売り急ぐ必要はありませんので、また上がると思える株はしばらく寝かしましょう。戻らない株は、とっとと売っぱらっていいと思います。
なお、NISAで説明しましたが、つみたてNISAでも考え方は同じです
それでは、また
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